地方企業の今〜状況から見える課題〜

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企業にとって収益を上げることはとても大事なポイントです。
ただ、収益を上げることは簡単なことではありません。今や企業数も多いので競争に勝つためにはいろいろな課題をクリアして制度の充実性を図ることも求められます。

特に、地方企業の場合は都市部の企業よりも厳しい現状になっているところもあり、収益を上げるためにはいろいろな課題もあるでしょう。
今回は地方企業の現状と課題について内容を紹介します。

地方企業の課題と現状とは何か?


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どの企業にも今の現状から課題を持っており、課題克服に向けて改善をしなくてはいけません。
しかし、地方企業特有の現状と課題があり、それらをしっかり踏まえておく必要があります。地方企業の現状と課題には以下のような点があります。

首都圏や都市部に人材が流れてしまう


地方企業の現状と課題として人材の流出があります。今は地方の人たちはみんな就職先を探しに首都圏や大都市に引越しをする人が多いです。
首都圏や大都市の方が地方よりも企業の数は遥かに多く、また自分の探し求めている職種に就職しやすいため、多くの地方の人材が流出しています。
大都市に人材が流出してしまうなら、地方に残っている人材が少なくなり、企業は必要な人材数を確保しにくくなります。
特に多くの若い人が都市部に移動するため、地方企業は採用する際の年齢を引き上げなくてはならず、年齢層が高めになってしまいます。

地域によっては過疎化の原因もあり、地方企業は必要な人座の確保が大きな課題となっているところも多いです。

企業の仕組みを変化しにくい


地方企業の現状と課題の2つ目は仕組みを変えにくいところです。
今では業務の効率化を求められているため、多くの企業は新たな制度やシステムの導入を行っています。

例えば、デジタル化への移行です。コロナウイルスの関係などもあり、企業はテレワークなど、仕事のやり方を変化させます。
テレワークを導入するためには機器の準備やマニュアルの作成など、企業にとっても仕事の仕方が新たに変化しますが、都市部の企業は発展のためにいろいろな導入を行うことが多いです。

しかし、地方企業の場合は新しい制度やシステムの導入に積極的ではない傾向があります。
新しい制度の導入よりも従来の制度ややり方にこだわることが多く、業務の効率化をあまり重視しない企業も多いです。

そのため、デジタル化に変えるなら業務効率が上がる業務も手作業で行うなど、業務効率が上がらないので、業績も改善されないという点があります。
全ての地方企業が当てはまるわけではないですが、現状は企業の仕組みを変えないところが多いです。

予算を立てにくい


地方企業の現状と課題には顧客数の少なさがあります。企業が業績を上げていくためには顧客の獲得がポイントになりますが、顧客の人数を確保できるのは地方よりも都市部です。
都市部は何百万人という人が住んでいるため、顧客となる数にも大きく違いがあります。

人数が多いなら、多少油断をしていてもある程度の顧客数を抱えることができ、経営がうまくいく可能性もあります。
しかし、地方企業の場合はそうはいきません。地方企業の場合は人数が少なく100万人にも満たない人口となっているところもあり、企業がいる地域に限定すると10万人にも満たないところもあるでしょう。

人口が少ないなら顧客として狙えるターゲット数も少なくなり、企業努力をしなくては経営が成り立たなくなることもあります。

また、人数が少ないので職種によっては経営努力をしても赤字になってしまうこともあり、地方企業としてか確立するには都市部よりもハードルが高いこともあります。
顧客数が少ないことから、経営を成り立たせていくことが難しい現状となっています。

給与が少ない


地方企業の現状と課題としては社員に与える給与が低いことです。
地方企業全てが当てはまるわけではありませんが、地方企業と都市部の企業では給与の平均が違います。
地域別の平均年収を比較するなら、東京や首都圏に近い関東は平均500万円以上の年収、大阪や兵庫など都市部が多い関西の平均年収は480万円以上となっています。

しかし、地方の多い中国、四国や東北地方では平均年収が400〜440万円ほどであり、年収に大きな違いがあります。
また手取りの面でも、都市部の企業であれば30代になれば給与として20〜30万円もらえることが多いですが、地方企業であれば30代でも給与が10数万円ということが多いので、与えられる給与には大きな差があります。

社員としてはより高い収入を得たいので給与をたくさんくれる企業への就職や転職を目指します。
給与が高い企業は地方よりも都市部の企業の方が多いので、外部から人材を確保することも難しく、経営の課題とも言われています。

地方企業の現状と課題改善とは


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地方企業は特有の大きな課題を持っていますが、現状に甘えてしまうと企業として衰退してしまうことになります。
課題があるなら克服するように経営努力をする必要があり、課題と向き合うことが重要です。どのように課題に向き合い、改善することができるのかポイントを紹介します。

採用活動を見直し機関も利用する


地方企業で大きな課題としては人材不足があります。
地方では人口が少ないため、新たな人材を取り入れることは困難と言えます。
しかし、採用活動を見直すことで、人材不足を改善すことも可能です。

「どんな人物が必要なのか」「どの部署に人材が必要なのか」「いつまで必要なのか」など採用するための目的を考え直すことで、必要な人材を確保しやすくなります。
例えば、経営幹部などある程度の知識やスキルを持った人材が必要なら、外部アドバイザーやコンサルティングなどを利用して幹部人材の採用情報について知るのも良い方法です。

求人を出して応募することもできますが、地域内で重要な人材を採用するのは難しく、効果が出ない可能性が高いです。
しかし、外部アドバイザーと連携するなら、地域内だけでなく県外や都市部から重要な人材を紹介してくれるため、採用までの時間も短縮することが可能です。

採用活動を見直して、どんな人材が必要なのかを検討して、採用方法を工夫するなら人材難による経営不振などを改善することも期待できます。

企業の強みやアピールを考える


業務の改善を行いたいなら、まずは仕事内容を整理してみることが大事です。
いろいろな制度やシステムなどの導入を考えるなら、自社の業務や仕事内容を改めて確認することで必要性を大きく感じることができます。

仕事内容を確認して効率性の向上が必要に思えるなら、どのような制度やシステムを導入すべきなのか検討します。
もし、会社の効率化に必要な制度などが分からないようであれば、コンサルタントなど外部の力を借りてみるのも良い方法です。

会社の状況に応じてどのような制度を導入すべきなのかアドバイスしてもらうことができます。
また、経営資金に応じて企業努力をする必要があるので、その点も考慮してアドバイスしてもらえるなら、地方企業とはいえ、業務効率の改善を行うことができ、業績アップにつながる期待を持てます。

ただ、業務効率化を行うなら、本気で仕事の調整や見直しをする必要があるので、スケジュールを組んで計画性を持つようにしましょう。

採用ターゲットを明確にして狙う


地方企業の場合は顧客数の獲得が難しいこともあるでしょう。
地方企業は人口が少ないので顧客の人数を確保することが都市部と比較すると難しい状況となっています。
営業や販売など商品やサービスの提供を行っているなら、顧客数を取れないなら企業の収益に関わり、衰退や経営難に陥ります。

もし、地方で顧客の人数を確保するなら、まずはターゲットを明確にすることが大事です。
どの年齢層にアタックすべきなのか、どんな人に購買促進があるのか検討するなら、ターゲットを絞れます、次にターゲットを絞ることができたならネットを活用することもおすすめです。

インターネットによるオンライン販売やECサイトの利用を行うなら、地方だけでなく全国に顧客数を展開することが可能です。
全国に顧客の数を展開することができるなら、多くの顧客数を確保できる期待を持つことができ、一定の顧客を確保できれば経営も安定させることができます。

ただ、インターネットによるオンライン販売などは整備する必要があり、自社のスキルだけでは対応しにくいこともあるでしょう。
その場合は外部の業者に依頼して作成を行うことも検討できます。ぜひ、顧客獲得のための方法として考えてみてください。

待遇面での見直しを行う


地方企業の場合は都市部の企業と比較すると、どうしても収入面や待遇面で差が出てしまいます。
企業によって異なりますが、給与は企業の経営によって大きく変わるため、給与で大きな待遇を行うのは厳しいです。

もし、少しでも企業の魅力を上げたいなら給与面ではなくて待遇面の充実を図ることもできます。
例えば、週休2日制や福利厚生面での充実、残業の緩和など、待遇面で改善できる点があるなら検討してみることができます。

今では、収入だけでなく待遇を重視している人も多いので、福利厚生や有給休暇などを需実させることができれば、魅力を感じた人が応募してくることも考えられます。
待遇面は地方でも都市部でも大きな差が生じる部分ではないので、会社の待遇面を考えて企業としての魅力をアピールできるようにするのも良い方法ででしょう。

地方自治体による工夫の事例から学ぶ


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地方企業は現状により課題もありますが、その中でも課題を解決して成功している事例もあります。
自治体による取り組みですが、方法を知ることで企業も手法を検討しやすくなるはずです。以下の事例を紹介します。

事例1:徳島県神山町


徳島県の神山町は山がの中となっており、人口も年々減少している地域です。
しかし、IT企業を誘致することで人口を増やすことに成功している地域でもあります。
東京などで活躍するベンチャー企業のためにサテライトオフィスを設けられるようにネットワークの整備や高速ブロードバンド網を実現させました。

この取り組みにより多くの企業が神山町にサテライトオフィスを設けるようになり、多くの人が神山町に来るきっかけとなりました。
企業としてもオンラインの整備をすることは会社の現状を変える大きな手段になると言えます。

事例2:北海道厚真町


北海道の厚真町は消滅の可能性もあると言われた町ですが、移住者を増やす工夫を行うことで存続させることに成功した事例です。
「東京との日帰りも可能」というキャッチコピーから分譲地を500区画販売することに成功し、子育て支援住宅の整備やお試しサテライトオフィスの設置などで企業の誘致も行いました。

この取り組みで人口を増やすことができたのですが、企業もこの事例に倣うことができます。
企業の内部を整備して取り組める部分が見つかったなら、顧客獲得や採用面で工夫して魅力が伝わるように改善します。
業績アップや必要な人材確保の方法として考えることができます。

地方企業の現状と課題は改善できる


地方企業の抱える課題と現状は工夫次第で改善することができます。
企業努力を行うことにより、業績をアップさせることができ、地域の活性化につなげることも可能です。
ぜひ、企業として今から取り組んでいくようにしてください。
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